珈琲王子再来

早朝。時刻は4:30━


まだ外は薄暗い。


何故ゆえ早起きなのか。


少しでも残業を減らそうと
自宅で資料作成&まとめに勤しむからだ。


そして何よりも本日14時までには用意して
おかないといけない大事な書類ゆえ。


寝惚け眼を擦りながらデスクに着く。


まずは目覚めの一杯とキッチンにてコーヒーを探す。


ふとここで、ある事に気付く。


…迂闊。


こんな時に限って自宅のコーヒーを切らしていたのだ。


そういえば昨日買おうと思っていて
買い忘れたんだっけ。


私の体はコーヒーを飲むと仕事が捗る仕組みを持つ。


ならば早急に飲むべしと急ぎ足で缶コーヒーを目指すべく
自ら課したミッションNo.001…遂行。


…しかし


まだ外は肌寒い。


例えるなら、まるで百獣の王ライオンが自らの仔を
千尋の谷に突き落とすかのような試練だ。
※余談:承知の通り、正確にはライオンではなく
文殊菩薩の乗る獅子(中国の清涼山に棲む伝説上の聖獣)であり
実際のライオンは崖から落とすような真似はしない。


ケーセン社 くたくたライオン
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兎に角、背に腹は変えられないと
一切の邪念を断ち切り缶コーヒー買いにGO

5分後、無事ミッション完了。


案の定、外は寒く白い息がさらに寒さをかき立て
何度も挫けそうになったが、視線の先に光る
まさにオアシスともいうべき自動販売機が
そんな弱気な考えを刹那に一蹴させた。


因みに買ったのは『FIRE/挽きたて炭焼き』

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缶コーヒーのプルタブの先を優しく指で掛け開ける。


静寂の張り詰めた部屋に音がひとつ舞い
それと同時に漂ったFragrance of Coffee に言葉を無くした。


嘗て珈琲王子と謳われた私の記憶がいま蘇った。
※珈琲王子についてはいずれ触れます。


…なんて


そんなん言ってないで、はいお仕事お仕事。